ゴミとイルカのいい話
今日は、牧之原市の海岸への「漂着物」への対応で、心から感激する2つの出来事がありました!!
何度もお知らせした静波区主催の「静波海岸一斉清掃」は、おかげさまで市内各所から、なんと150人もの市民のみなさんが参加してくださいました!!
1時間の作業で、再び砂浜を覆っていた主に植物性の漂着ゴミは、ほとんど撤去されました!! まだ10㌢以下の木片状のゴミは、大量に砂に混入していて…裸足で歩くには危険な状況ですが…とにかく見た目は、すっかりきれいになりました。
やはり4、5人では何カ月かかっても片付かないゴミ(や難題…)も、多くの有志が集まって行動すれば、「一気に解決できる!!」という現実をあらためて実感しました。こういったボランティア活動が、もっともっと普及して、誰もが気軽に可能な時に参加できるような市になれば素晴らしいと思います。
ご協力、ご声援、情報拡散ありがとうございました!!
そしてもう1件…ちょうど静波海岸の清掃が終わったころ、片浜区の坂井平田漁港に、体長2㍍ほどの小さなクジラ(イルカ??)の遺体が漂着していることが明らかになりました。こちらもやはり先週の台風6号と今週の7号の高波で、海岸に打ち寄せられたと思われ、死後かなりの時間が経っているように見えました。
地元住民からの通報を受けた市役所が、内規に従って各方面に照会すると…茨城県つくば市の国立科学博物館筑波研究施設から「骨格標本がとても希少な『ユメゴンドウ』の可能性が高い」との回答がありました。
ユメゴンドウとは、1874年に発見されたシャチに似た珍しい歯鯨で、 1950年代までは、英国の大英博物館が所有している2個の頭蓋骨標本として知られているだけだったそうです。 1954年、日本の鯨類学者の山田致知氏が鯨漁師が捕らえたユメゴンドウを『珍しいイルカ』 として、学会に報告。 頭蓋骨は大英博物館にあるものと特徴が一致するが、身体的な特徴はシャチに似ており、「小さいシャチ」と呼ぶことを提案したそうです。。生息数が少ない上に、人間が接近することを好まず、人懐こいとは言えないクジラなので、目撃例がきわめて少ないため「夢」という名前が付いたとか…それほど珍しく、価値のあるクジラが牧之原市に流れ着いたのでした!!
ということで…トントン拍子に、茨城からわざわざ研究者が引き取りに来るという話になり…静波海岸の清掃から相良庁舎に向かう途中だった市役所の若手職員が、総出で搬出の準備作業を開始。そして、午後5時前には、軽トラックに無事積み込むことができました。
ちなみに、イルカやサメなどの海洋生物の死骸が漂着した場合、行政的には『一般廃棄物』として扱われ、焼却処分できないサイズや状況の場合、海岸や地面に穴を掘って埋却処分することが通例なのだそうです。珍しいイルカが死体となって、我が牧之原市に漂着したことはかわいそうですが…国立博物館で「骨格標本」になるのであれば、とても意義あることです。「立派な標本になって、日本中の生物好きの子どもたちを喜ばせてほしいなあ…」と思いました。
◆ユメゴンドウ 哺乳綱クジラ目イルカ科に属する珍しい「ハクジラ」。最大体長は2.7メートルで、雄は雌よりやや大きい。頭部は楕円形で、背びれは体中央に位置し、比較的大きくて鎌(かま)形をし、胸びれの先端はやや丸い。全身黒色であるが、口唇部は白色で、胸腹部に白色帯がみられる。熱帯から温帯の海洋に分布し、50頭以下の群れが普通である。長らく全身の標本が得られなかったために幻のイルカとされ、ユメゴンドウと名づけられた。英名は"Pygmy Killer Whale"(小さいシャチの意)であり、名前の通り身体的な特徴はシャチに類似している。