「市庁舎統合報道」について
11月18日の地元紙に、『相良庁舎、榛原へ統合 牧之原市方針』という大見出しの記事が掲載されました。
その内容は……「今後の市内の公共施設のあり方を市民で議論する『牧之原市自治基本条例推進会議(会長・坂本光司法大大学院教授)が、坂部区内で開いた4回目の会合で、市側は現在の2つの市役所の榛原庁舎への統合』や15年後をメドに『現在9つある市立小学校の榛原と相良の2中学校単位での統合』を目指すという方向性を示した」という、衝撃的なものでした。
この件に関して、本日の市議会常任委員会の合同協議会で、担当課から経緯と事情報告がありました。その上で、牧之原市が全国から称賛されている『市民の対話と協働』による「公共施設マネジメント」のあり方を話し合う自治基本条例推進会議で配られた資料等の重大な問題点について、「市が意図している内容の報道ではなかった」とお詫びもありました。
今回は、庁舎統合のテーマに絞って解説しますが…この推進会議では、老朽化が深刻な牧之原市の公共施設(全389棟)を再検討し、「今後20年かけて、床面積比で20%削減する」ことを目的に、市が今年度中に策定する『公共施設マネジメント計画』の骨子をまとめ、年明けに報告書を市長に答申することになっています。
その協議と決定のプロセスを今回も、牧之原市が全国に先駆けて推進し、今や日本中から称賛されている「住民参加による政策決定」の〝モデルケース〟として、西原市長が今年のマニフェスト大賞を受賞した「市民が意見を交わす対話の場」(男女協働サロン)での自由な対話に委ねていたわけです。市内各種の団体、組織から選ばれた幅広い年代層の市民の自由闊達な意見交換を基に、市の『津波防災まちづくり計画』や『第2次総合計画』の策定に寄与してきた先進的な方式でしたが…
そんな中、庁舎問題に限らず参加者各自が自由に、さまざまな公共施設の理想像を語り合ってきた過去3回から、そろそろ着地点を模索する段階となった17日の対話の場の冒頭に突然、いきなり「前回までのまとめ」と同じスペースと扱いで…「行政における検討(案)」というタイトルで、一般市民はもちろん、われわれ市議会議員もまったく知らされていなかったきわめて具体的で…説得力もある〝市の方向性〟を示す上の写真のような資料が、配られてしまったのです。
これには、サロンの参加者も現場で取材した記者もびっくり仰天。。翌朝のスクープ記事になったというわけです。
担当部課長の事情説明によれば…今回の資料の内容は「まだ何も決めていないし、専門部会内での検討案のレベル。市としての方向性を示したものではない」「これまで対話の場で出てきた意見を深め、検討してもらうための〝情報提供〟のつもりだった」とのことでした。
旧榛原、相良両町の「合併協議会」では、榛原と相良の2庁舎は〝同格〟とすることを大前提としていました。「合併協議時に、庁舎統合の話を持ち出せば、牧之原市は絶対に誕生しなかった」と今も関係者は異口同音に話すほど、この話はデリケートな問題です。。それでも、市民の誰もが、清掃センターなどの他の行政組織等と同様に「将来的には1つになった方がいい…」とも思っているきわめて重大なテーマです。
だからこそ、合併から10年が経ち、若い世代を中心に旧2町の連携や一体感の醸成…そして施設の老朽化もさらに進み、そろそろ本気でその方向性を定めようという機運の生まれ始めた背景の中でのマネジメント会議の中で、形式的にも市民の代表によるサロンのメンバーの合意形成を行政が誘導するかのような「情報提供」の出し方や出す場所が、不注意かつ不適切だったと、私は感じています。
市役所の中で、積極的に議論を進め、市民のためになる大胆で前向きな施策や計画を構築していただくのは大歓迎です。しかし、どんなに素晴らしいアイディアや構想であっても、入念な環境整備と正しいプロセスを経なければ…ただの「絵に描いた餅」にすぎません。
特に相良地区の自治会役員や市民、議員まで「寝耳に水だ! いきなりそんな方向性を誰が決めたんだ?」と声を荒げるのはもっともです。『相良庁舎を新市庁舎にできない4つの理由』という刺激的な情報を掲載するのなら…少なくとも、移転後の庁舎跡地の「夢のある利活用」の案も並列で出さなければならなかったと思います。
榛原地区の1議員にすぎない私が、今ここでこれ以上、生意気に、この問題に対する自分の考えを披露することは差し控えますが…これからも私は、地域や立場にはとらわれず、みなさんと一緒によりよい牧之原市全域の将来のために活動し、こうして毎日ご報告し続けます!
なお、上の資料を含むこれまでの議題や資料報告等は…すべて市のホームページ上で公開されています。
詳細は…⇒ こちら!!