ビフとトランプの思い出
米大統領選挙では、億万長者の不動産王ドナルド・トランプ氏(69)が、共和党の大統領候補に事実上決定したわけですが…我が家の筋金入りのSF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)おたく」の高2の次男と、「2015年のビフ・タネンは、2016年のドナルド・トランプだよな?」と話していたら…昨年10月のこんな記事を発見しました。。
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【10月23日 AFP】SF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズに登場し、主人公のマーティ・マクフライへのいじめを繰り返す悪役ビフ・タネンのキャラクターが、米大統領選挙の共和党最有力候補、ドナルド・トランプ氏から着想を得ていたことが分かった。
同映画の脚本家ボブ・ゲイル氏は「映画を作ったときにそれを考えていたよ!もちろんさ」と、米ニュースサイト「デイリー・ビースト」に語った。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』では、ビフ・タネンがカリフォルニア州の架空の街ヒル・バレー)を牛耳る27階立てカジノのオーナーとして登場する。
「PART2をもう一度見てごらん。マーティがビフのオフィスで彼と対決する場面があって、ビフの後ろの壁にはビフの大きな肖像画がかかっている。で、ビフが立ち上がり、その肖像画とまったく同じポーズを取る」
ビフの高層カジノは、この映画が公開された1989年の5年前にアトランティックシティーに完成したトランプ・プラザホテルに驚くほど似ている。この類似点について質問されたゲイル氏は、「そうだ」「それが僕らの考えていたことだ」と答えた。(c)AFP
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ちなみに私は、今から10年前…2006年11月に、宮里藍ちゃんを追っかけて行った同年の米女子ツアー最終戦「ADT選手権」の取材で、フロリダ州の同氏のゴルフ場「トランプ・インターナショナルGC」で、初めて彼を見ました。当時の彼は、政治家ではなく、アメリカンドリームを体現した実業家としてNBCテレビの『アプレンティス(The Apprentice)』というリアリティ・ショーに出演していた人気者でした。
トランプ氏は様々な課題を参加者に課した上で、最後に全員をボードルームに集め、脱落者を発表するのですが…その時の決めゼリフが“You are fired!”(お前はクビだ!)でした…これは、まさに「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」で、マーティーが、ビフの悪巧みに加担させられて、勤務先をクビなった時に浴びせられた怒号です。
初日から2日間首位を走った藍ちゃんですが…最終的には4位タイに終わり、ルーキーイヤーでの米ツアー初勝利を逃しました。私は、会場のあちこちで売られていた「お前はクビだ!Tシャツ」を大喜びで買って帰りましたが…その4年後、クビにはならずに、自分から新聞社を辞めました!(笑)
映画の公開の時も、10年前にも「ありえない!」「信じられない!」と思っていたようなことが、次々と起こるようになった時代です。。「日本や韓国など同盟国は、米軍の駐留費用の全額を負担すべきだ。そうでなければ、米軍を撤退させる」「メキシコ移民はアメリカに薬物や犯罪を持ち込み、レイプ犯も いる。大統領になったら国境に万里の長城を 造る」「イスラム教徒の米国入国を すべて完全に禁止すべき」などという超過激な発言で、米国のステレオタイプの庶民の愛国心をくすぐっているトランプ氏が、映画の中の悪の化身・タネンのように、これからの米社会と世界を牛耳ることになってしまうのでしょうか?
<せっかくなれた政治家はクビにはなりたくない私ですが…>