他山の石
<2017年1月、相良庁舎の大会議室で挨拶する三戸町の松尾和彦町長、左奥が澤田恵議長=当時>
牧之原市の〝友好姉妹都市〟である青森県三戸町の議会が今、大変なことになっています。
全国ニュースでは、ほとんど報じられていませんが…4月の青森県議会議員選挙で初当選した三戸町議会前議長の沢田恵(さとし)県議(61)が先週末、公職選挙法違反(買収、事前運動)の疑いで逮捕されたのです。
青森県警によると、澤田県議は2~3月ごろ、陣営幹部2人と共謀し、票のとりまとめなどの選挙運動の報酬として、有権者数人に現金数万円ずつを配るなどした疑いがあるのだそうです。さらに…現職の三戸町議会議員3人も、被買収容疑で相次いで逮捕。県警は、三戸町議の半数以上が現金を受け取っていた可能性があるとして、他の複数の町議からも任意で事情を聴いているのだとか…。
三戸町議会の定数は14。議長だった澤田氏が県議選出馬に伴い失職。さらに今回の事件に絡んで1人が辞職し、現在欠員2。公選法では補選となる欠員数を「定数の6分の1超」と定めているので、この先欠員があと1人でれば、補選を行うことになります。しかし、地元紙の報道では「議員の10人前後が事件への関与が疑われている」として…町民や町議会内で「議会自ら出直しを選ぶ『自主解散』に踏み切るべきだ!」という声が、日に日に高まっているそうです。
可決には在籍議員数の4分の3以上が出席した上で、5分の4以上の賛成が必要とあって、成立は微妙ですが…選挙違反が原因の解散となれば、全国的にもほとんど例のないという異例の事態です。
三戸町と牧之原市の友好関係は、1989年(平元)に当時の榛原町と結んだ『友好都市提携協定』が発端です。牧之原市誕生後は、2009年に同協定を再締結。東日本大震災翌年の2012年には、大規模災害時に相互に食糧や生活必需品の供給、職員の派遣などを約束する『災害時応援協定』も結びました。30年にもわたって、双方の商工会やJA関係者らが互いの観光や物産イベントに参加するなどして、交流を深めてきました。
私も市議2年目の2014年11月には市議団の一員として同町を訪問し、町を挙げて取り組んできた『11ぴきのねこのまちづくり事業』の内容を勉強させていただきました。3年後の一昨年1月には同町議団をわが市に出迎えて交流するなど、相互交流に関わってきました。自分が実際にお会いして、お話したり、酒を酌み交わした方々が「容疑者」として報道されているのを見るのはつらいし、残念でなりません。
地方政治に携わる者、そして同じ日の統一地方選挙で初当選した県議会議員として…三戸町の今回の不祥事を他山の石として、謙虚に、真摯に、誠実に活動していきたいと思います。。
李下に冠を正さず! 選挙違反は、絶対にいけません!!
見てくれなんかには構わずに…全力を挙げて、見知らぬ外の世界で咲きたがる…うちの家族に似た庭のアジサイです。