多文化共生社会を考える
先週に引き続き、今日は新人議員の『県内実地研修(西部ルート)』でした。
静岡駅北口のロータリーに集合するために、バスで静岡まで出たのですが…最初の視察場所は、地元も地元の富士山静岡空港でした。。「直接、行けば…」という考えも、一度は頭をよぎりましたが…団体行動というのはそういうものです。
空港ではまず、西村社長や、前社長の出野参与から「県議のみなさまには、どうか静岡空港の熱烈サポーターになってください!」とお願いされた後、ターミナルビル改装と民間への運営権委譲後初めて、内部をじっくりと視察させていただきました。
地元とはいえ…今までの立場では、搭乗客としても、細部までは。なかなか立ち入れませんでしたから、本当によかったです。
令和の時代に大きく飛躍する静岡の空の玄関口の素晴らしい可能性を確信し、とてもワクワクしてきました。
浜松市の中心部にある『多文化共生センター』も訪問しました。
人生の半分以上を『異文化との果てしなき闘いと共生』に費やしてきた私ww にとっては、うってつけ…というか、大変ありがたく、参考になる視察先でした。
浜松市役所の国際課と浜松市国際交流協会の担当者のみなさんから、浜松市が市を挙げて取り組んできた『多文化共生のまちづくり』の現状と課題をご説明していただきました。
浜松市の外国人住民は、今年4月1日現在で2万4433人! 1990年の入管法改正で、ブラジル、ペルーなどの南米からの日系3世の定住者が爆発的に激増してから30年。「もはや市民を日本人と外国人と分けられる社会ではない」「さまざまなルーツ、文化を持つ外国人の方々を理解し、共生していかなければ、浜松市の未来はない」という観点から、移住・定住外国人への懇切丁寧なサービスや支援を実施していました。
ところで今、牧之原市や吉田町では、30年前の浜松市と同じような大変な事態に直面しています。自動車関連をはじめとする製造業の業績回復とともに、ここ数年間でブラジル人等の外国人家族の移住が移住が進み、市内の幼稚園や小中学校の園児、児童が数十人も増加。全児童の11.5%が外国籍という小学校もあります。日本語や日本の風習やルールをまったく理解しない子どもや保護者が大量に存在するという現状は、さまざまな観点から好ましくありませんし、実際に大きな不安とトラブルの元になりかねません。
牧之原市では4名のバイリンガルの相談員を配置し、児童や生徒の個別支援、保護者宛の文書の翻訳、三者面談時の通訳、進路相談などを実施していますが…とても十分な支援とはいえない状況です。
義務教育の現場では現在、日本語をまったく理解できない外国人の子どもたちに、民間の日本語教室に個人負担で通学を促し、その後の日本語能力の習得を判定した上で、市内小中学校に編入させているそうですが…そもそも、日本に働きに来ている家族の方々が、最低でも1人4、5万円かかる私立の語学学校に、子どもを通わせようと思うでしょうか? こういった大変な事態を改善し、各学校で直に日本語指導ができる環境整備ができるための助成制度などの対策が急務だと、市の担当者も私も思っています。
先日、県の担当部課には相談しましたが…「理解はするが、地域によって実情は異なる。県としての制度や助成よりもまず、現状把握の上で、県としても今年度以降設置を進める多文化共生センターによるサービスの充実を図りたい」というような回答でした。
県への要請、要望を継続しますが、まずは背景や構造の似通った浜松市との情報共有や連携依頼も重要だと実感しました。