同時多発テロから20年
20年前の2001年本日9月11日、全世界を震撼させた『米国同時多発テロ』が起こりました。イスラム過激派のテロ組織アルカイダのメンバー19人によって米国上空でハイジャックされた4機の旅客機が、ニューヨークの世界貿易センタービルやワシントン郊外の国防総省ビルに次々と突っ込むなどして…日本人24人を含む2977人が亡くなりました。
当時スポーツ紙のバトル担当だった私は、深夜のバラエティー番組に出演する予定だった人気プロレスラーの取材のため、東京・六本木のテレビ局の入口ロビーのテレビで流れていたニュースステーションの画面で、この戦慄の瞬間を見ていました。一瞬にして、その夜の私の仕事も記事も、翌朝の担当紙面も吹っ飛びました。
社会面の記者でなかった私はそのまま帰宅して、2歳半の双子の子どもたちを寝かしつけながら、呆然と続報のニュース映像を見ていた妻と、これから先にやってくるであろう果てしなき憎しみの連鎖について語り合ったことを憶えています。
怒りに燃えたブッシュ政権は翌月には、対テロ戦争を宣告。アルカイダの首謀者ビンラディン容疑者をかくまっていたアフガニスタンの当時のタリバン政権に軍隊を送り込みました。2003年にはイラクが「アルカイダを支援している」「大量破壊兵器を所有している」との疑いを取り上げて軍事作戦にも踏み切り、フセイン政権を打ち倒しました。ビンラディンも2011年に殺害しました。
米国の対テロ戦争によって、アフガニスタン、イラク、シニア、パキスタンなどで、これまでに世界で92万人以上が死亡。うち民間人は36万人以上と言われています。米軍の死者も約7000人。米国が投じた戦費は8兆ドル(約880兆円)超だということです。
皮肉なことに同時多発テロから20年後を前に、バイデン政権が米軍の完全撤収を決めたアフガニスタンでタリバンが勢力を盛り返し、この8月にはアフガニスタンの親米政権があっけなく崩壊しました。
私はここ数日、米国発祥の動画配信サービス会社のNetflix(ネットフリックス)の製作した9.11を振り返るドキュメンタリー番組シリーズや、NHKの特集を観ていました。ただ単に「とんでもなく悪い狂信的なテロ組織が、罪なき人々を一瞬して虐殺した」というだけでは、語りつくせない説明のつかない歴史的背景や真相が自分なりに再確認できたように思います。
今も終わらない、世界各地で繰り返されているテロや戦争の恐ろしさを決して忘れることなく、どうしたらこの地球上から愚かな殺し合いを終わらせることができるのか? 世界中の指導者や政治家が、それこそ死にものぐるいで取り組むべき最重要のテーマだと改めて痛感しています。
普段は、国際情勢や国政の課題や問題点について言及することをあえて避けている私ですが…これからは、地域や静岡の日常生活の話題だけでなく、子や孫の世代が生きる地球全体の将来についても思いを巡らし、できることから行動に移していけたらなあ…と思いました。
そして、国政を担うすべての国会議員のみなさまには、政局やご自身の選挙の当落に関わる身近な話だけではなく、もっと大きくて重要な「天下国家」のあるべき姿や世界平和について、ご自身の言葉で語っていただきたい。発信していただきたいと願っています。