
県議会は本日から、常任委員会が始まりました。本年度私が所属する総務委員会で、真っ先に議題に上がり、他の全ての審議より優先されて単独で集中審査された『諮問第1号 退職手当の支給制限に対する審査請求に関する諮問』という案件がありました。
公立学校の同僚だった20代前半の女性教師に複数回のストーカー行為を行い、彼女の自宅のポストにアダルトDVDを2回投函した罪を認めて有罪判決を受け、懲戒免職となった50代後半の元教師が…「退職金の全額不支給は納得できない」として県に対して起こした『審査請求』に関しての諮問でした。
請求人は「事件までの30数年間、1度も問題行為はなかった。退職金は給与の後払いという性格もあり、これまでの教育活動も評価の上、全額不支給は再考してほしい」と主張しています。
一方、処分を行った県教育委員会からの「懲戒免職された県職員には、退職金は支給しない決まりである。元教師は、責任ある立場にあったし、県民の教員や学校、本県教育に対する信頼を著しく損なった」という反論を受け、県の人事課は「審査請求を棄却すべき」だと判断しています。。
地方自治法の規定により、審査請求がなされた場合には、県議会にその判断(=今回は棄却)について諮問して意見を求め、答申を受けた後に改めて採決を審査請求人に送付すると決められています。
事前にいただいた膨大な資料をよく読み込みましたが…請求人は、有罪の事実と判決(懲役4カ月執行猶予3年)、そして懲戒免職処分については異議を唱えていないのに…「被害者に恋愛や怨恨といった感情は一切なかった」とか「退職金0円だけは勘弁してほしい」という論理展開に、大きな違和感を感じています。
明日6日の委員会、そして14日の本会議で議会としての答申が決議されますが…今月中にも予定されている県の採決を受けて、請求人側は次なるステップとして、県知事を相手とした民事訴訟に踏み切る公算が高いと思われます。

私が県議会の第1委員会室で、懲戒免職された元教師からの退職金不支給の取り消し請求について、虚しい質疑をしていたまさにその時…信じられないほど素晴らしい出来事と出会いが実現していました。
夏前から再三ご紹介している…私の母校の剣道部の後輩で、ステージ4の末期がんと全力で闘いながら、自身の信念や〝生き様〟を世の中に伝える活動を続けている牧之原市在住の榛葉達也さん(31)が、沼津市の私立飛龍高校の体育館で、同校の約300人の生徒を前に「生きる意味」や「挑戦し続けることの価値」を語る〝魂の講演会〟を行ったのです。
実を言うと…榛葉さんは「病気療養」を理由に、8年間勤務してきた県立高を休職中のため、これまでは「平日の日中、自校でない高校の授業時間中に、教師の肩書で講演をすることは如何なものか?」といった批判的な声が、少なからずあったのです。
しかし…「治療や家族との時間以外は現役の教師として、今の自分のできることを全うしたい」という本人の「強い希望を叶えてあげたい」という多くの支援者が、様々な立場や角度から努力と検討を重ねた結果…新任の池上教育長をはじめとする県教育委員会の温かいご理解とお許しを得て、ついに今日の日を迎えることができました。
特に、先陣を切っていただいた学校法人沼津学園の理事長で静岡県議の杉山盛雄先生には、心から感謝いたします。
県庁での委員会終了後、私の携帯に榛葉さんからのLINEが届いていました。「無事に終わりました。自分としては気持ちを込めて話せたと思いますが、どのくらい生徒たちに伝わったかはわからないです。いろいろ反省点もあるので、また練り直してみます」。
うれしいメッセージともに届いた見覚えのない中年男性との2ショット写真のワケを問い合わせ、返信を見て絶句しました!!
40年前、榛原高校剣道部の私の宿命のライバルだった浜松の興誠高校(現浜松学院)の大将で、今は飛龍で監督を務める同い年のX君だったのです。「人生は、運命は…人と人との繋がりは、本当に不思議な縁だなあ~」と改めて痛感しました。
本日を皮切りに、この10月は後4回の講演が続くという榛葉さんの獅子奮迅の活躍をお祈りするとともに、さらなる講演依頼をお待ちしています!(^^)/