組織の問題点を糾す
本日から静岡県議会2月定例会は、委員会の質疑が始まりました。総務委員会のワタシは…
①川勝知事の定例記者会見での大失言は、どうして事前に防げなかったのか? ②県の海外事務所の駐在員が「7年以上にわたり、配偶者手当約775万円を不正受給していた」と公表された事件について…など、多岐に及ぶ質疑をさせていただきました。
昨年末の知事定例会見での問題発言については、すでに何回もご説明させていただいていますが…2月20日の私の一般質問で、知事本人は以下のように答弁しました。
◆質問(要旨)
知事は、去る12月27日、昨年最後の定例記者会見で、幹事社からの「今年1年を漢字1文字で振り返ると」という質問に対し、「水」と答えた。
その理由の3番目に、「さらにひとこと言えば、牧之原の幼稚園で、いたいけな子どもさんが、熱気の中でですね…ある意味、水分を全部体内から吸収されて、お亡くなりになりました。それもある意味で…広い意味で水に関係しているかなとも思います。(なので、今年の漢字は)水でございます」と述べた時、この取って付けたおかしな説明は何なのか、わざわざ選定理由に入れる必要があるのかと耳を疑った。
知事は、事件で亡くなられたお子さんのご家族の心情を本当に考えたことがあるのか。事件から暫くたって報道された「女の子の水筒は空だった」とか「車内の暑さのためか衣服はすべて脱いでいた」といった痛ましい情報は全て、各マスコミが捜査関係者から得た独自ネタで、警察の公式発表でもなければ、ご遺族が会見して話したことでもない。あってはならない悲劇で傷心のご家族は、今も女の子の顔写真でさえ公開していない。
この知事の〝とんでも失言〟を問題視したり、批判的に報じたマスコミは無かったため、県民はこの発言を知らないが、私はこの大失言を看過することはできない。
これまで、何度も繰り返された知事の不適切発言は、多くの誤解やすれ違いを生み、多くの県民、国民の心情を無下に害してきた。
知事は、同じ会見で「私は、間違っていること、また公益に反することがあると認識された場合、これは相手の方が私より高い身分の方であるとか、重責をお持ちの方であろうと、腹蔵なくはっきりと申し上げるという姿勢を変えることはありません」とも言った。
「身分」という言葉の使い方が気になるが、趣旨は私も100%同感である。「県のトップには2度とこのような舌禍を起こしてほしくない」との願いを込めて、あえてニュースにもならなかった発言の真意を伺い、納得できる説明、釈明を求める。
◆知事答弁(全文)
大石健司議員にお答えいたします。私の政治姿勢についてであります。
年末の記者会見でありますけれども、まず、9月に牧之原市の認定こども園の送迎バスの中で、命が失われたことに関しまして、大変痛ましく、遺憾極まりないものであります。改めまして、心から御冥福をお祈りしたいと思います。
なぜ、こういうことになったかと。乗務員及び運転手さん、降車確認をしていない、登園確認も不適切であった、欠席連絡のない園児の保護者に対する確認も怠った。あまりにも初歩的なミスが、幾つも重なっております。
亡くなられたお子様が、高温バスの中で、独りどのような思いでいたのかと思いますと、胸が張り裂ける思いです。というよりも、烈火のごとき怒りを担当者の人達に対して覚えました。こうしたことは二度とあってはならないということで、健康福祉部を中心に、監査体制、また安全対策を徹底するように指示し、現在それを実行しているところであります。
こうした痛恨の思いがございまして、園児の水筒について一部報道等がございまして、議員御指摘のような発言になったわけでございますが、それが、御遺族への配慮、あるいは御遺族のお気持ちを逆なでするものであったということは、誠にもって申し訳ないことでありまして、心からお詫びを申し上げたいと思います。
それからまた、このことについて、きちっとご指摘いただいた大石健司議員にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
私は、自分の思いであるとか考えが、言葉足らずであるとか、あるいは認識不足であるかということなどによって、県民の皆様に正しく伝わらないことがあるということをしっかり自覚をし、以後、こういうことがないように十分に留意してまいりたいと思います。
…というわけで、本日は、知事個人ではなく「知事直轄組織」という組織として、どうして1週間も前に幹事社から通告されていた「今年の漢字」という質問に対して「どうして、あんな不謹慎でトンチンカンな回答を許してしまったのか??」「これがみなさんが掲げる『県民に開かれた広報』の実態なのか?」と尋ねました。
これに対する答弁は…「知事の当該会見での発言は、はなはだ不適切、不謹慎であり、県のトップとして許されないものだった。政策や予算などへの質問ではなく、知事個人の自由な発想を尋ねられた質問だったので、会見前には『〝水〟と答える』ということしか聞いておらず、選定理由について打ち合わせをしなかったことが悔やまれる。今後は二度とこのようなことが起らないように、事前にすべての質問への回答について、入念に確認する」とのことでした。
丁寧かつ誠実な、担当課長の答弁に満足しました。ありがとうございました。
※この他の主な内容は、明日以降にご紹介します。