
静岡県議会自民改革会議の『北方領土を考える議員連盟』の一員として、北海道の知床半島に来ました。
北方四島は、我が国にとってかけがえのない固有の領土です。北海道の北東に位置し…国後島、択捉島、歯舞群島、色丹島からなります。
北方四島の面積は、5003平方kmもあり、福岡県(4988平方km)と千葉県(5157平方km)と同じくらいです。
羅臼町の沖にある国後島やその北東の択捉島は、どちらも沖縄本島(1199平方km
)よりずっと広く…択捉島(3139平方km
)は、日本で一番広い島です。
羅臼町の港からチャーター船に乗り、わずか25km先の国後島との中間に引かれた『漁業規制線』の手前まで行きました。
駿河湾の牧之原の海岸から見える伊豆半島より近い距離にある我が国固有の領土に、自由に往来ができない現実と、この地に暮らす元島民のみなさまの忸怩たる思いを痛感しました。
1945年(昭20)、日本がポツダム宣言を受託し、連合国に降伏の意図を明確に表明した後に、ソビエト連邦(現ロシア連邦)に侵攻され、一方的にソ連領に編入されました。当時、四島に住んでいた約1万7000人の日本人は、半数が自力で脱出し…残りの半数は、1947年(昭22)から翌年にかけて、強制退去させられ、樺太(サハリン)での抑留を経て、日本に送還させられました。
こんなありえない不条理を戦後、78年もそのままにして、解決できないで来たことが残念で残念でなりません。この国を愛する政治家の1人として、これから自分にいったい何ができ、何をしなければならないのか? 深く黙考する貴重な機会をいただきました。
自分の非力さを実感し、呆然と眺めていた北の海のどこにも、地図に書かれている境界の破線は見えませんでした。
知床半島と国後島との間に横たわる野付水道には、たくさんのシャチやイルカが現れて、われわれを歓迎してくれました。野生動物だけは、自由でした。
