3度目のリニア現場視察
今朝は4時半に起きて、温暖な海辺の自宅から片道180km、紅葉が見ごろの標高1550mの高地にある〝車で行ける静岡県最北端〟静岡市葵区のリニア中央新幹線静岡工区の西俣ヤードまで行って来ました!!(*^^)v
昨夏に引き続き、2年連続3回目の現地視察でしたが…今回の夜明け直後の山道の温度は、まさかまさかの摂氏2℃。凍えました! 道中で大きなシカとカモシカ、サルの群れに遭遇しました。
来たる県議会12月定例会で、知事や部局長に一般質問する同じ会派で伊東市選出の中田次城県議(58)から「リニア関連の質問をしたいんだけど、現地のことを全く知らないんで…連れて行ってよ! ツテがあるんでしょ?」とのご依頼を受け、東京の山手線内側の4倍の広さがある現地全体を所有する十山株式会社の鈴木康平取締役(前社長)に頼み込み、車を3回も乗り継ぐ往復12時間の〝弾丸ツアー〟を敢行したのです!(^^)/
十山は、その社名の由来通り、間(あい)ノ岳、悪沢(わるさわ)岳、赤石岳等3000m超の10の山を擁し、静岡県内の「南アルプスユネスコエコパーク」の大部分と、リニア工事の静岡工区の工事ヤードや作業員宿舎、ここにきて問題視されているトンネル工事による発生土置き場の土地も、ほとんどすべて所有する地権者です。
県は事業者のJR東海に対して、大井川の水だけでなく、自然環境やそこに生息する動植物についても、あたかも自分の土地、つまりすべて〝県有地〟に関わるモノであるかのような態度で、さまざまな厳しい要求を突き付けていますが、まったくの誤りです。大井川源流の水が減ったり、自然環境が悪化してしまったら、誰よりも困るのはこの会社です。
静岡市の市道南アルプス公園線から林道東俣線の先は、十山の社有道なので、入口の門は施錠されていて、許可がなければ一般人は立ち入ることができません。富士山などとは違い、ほとんどすべての県民は、この地の大自然の光景や豊かな恵みを直接見る機会はありません。
ゲートの奥にある椹島(さわらじま)や西俣のヤードにつながる山道は、この2年間の大雨で発生した土砂崩れにより各地で寸断されていて、改修工事中でした。その費用は、JR東海が負担しています。県は1円も払っていません。
リニア問題に対する地権者や地元住民の代表である鈴木前社長からの丁寧でわかりやすいこれまでの経緯と課題・懸案の説明を熱心に聞いていた中田県議は「リニア問題の要点が見えてきた。本当に来てよかったよ」と満足そうに話し、ゴールの島田市からさらに130km離れた伊東市の自宅に自家用車で帰っていきました。
ところで、くしくも本日午後、リニア工事を巡る『南アルプスの自然環境の保全に関する意見交換会』が開かれていました。県と国の有識者会議に参加する委員、自然環境の保全に関わる人々や地元の自治会、経済団体の代表、そして十山も参加したそうです。
今年2月に、ワタシが一般質問で力説した「県は、土地所有者や地域住民の意向を尊重し、前面に打ち出し、連携し、場合によっては共闘するべきではないのでしょうか?」という提言に、いまさらですが…やっと県が応えてくれたことは評価します。
県民が容易に立ち入れない民有地の「自然環境」や「動植物」の徹底保全をJRに要求している静岡県は、他のすべての公共&民間のインフラ事業においても、まったく同じ姿勢や基準で臨んでほしいものです。
下界より深まる秋の奥大井
(*´ω`*)