消えた「芸術回廊」事業
所属会派の自民改革会議に対する県当局の『令和6年度当初予算提出状況説明会』が行われました。昨年12月13日の第1回に続き、令和6度の予算編成編成の現状を県の全部局の部課長から説明を受けました。
各部局からの新年度予算の主な事業の予算要求額と、財務当局との折衝の末の調整・再調整額の現状を知る貴重な機会だけに、各議員が疑問点やそれぞれの要望を積極的に発言し、とても見ごたえ、聴きごたえのある会議でした。
元日に発生した能登半島地震を受けて、前回にはなかった被災地支援や防災、危機管理対策の予算や新規事業が、あちこちに加えられていました。私は…危機管理部予算に計上された「災害時の孤立集落などへの支援体制を強化するために新たに整備される〝物資輸送用ドローン〟整備事業費」の詳細について、質問しました。
その一方で前回は、スポーツ文化観光部の主要事業として掲載されていた『ふじのくに芸術回廊推進事業費』なる怪しい新規事業が、きれいさっぱり消えていました。
「地域が文化資源を活かして創設した取り組みなどを継続的に支援することで、各地域のアートを活用した地域づくりを推進する」というとても抽象的な内容に加え…「芸術回廊」という事業名称が、大阪万博チックな〝箱物〟をイメージさせることに加え、川勝知事が自身の不用意発言で猛批判を浴び、構想の白紙撤回を余儀なくされた例の「東アジア文化都市のレガシー継承センター in 三島」も連想させ、将来的には発展されかねない奇妙な計画だったので、前回の説明時に各議員から異論・反論が続出したいわくつきの新規事業案でした。
私は、この件についても手を挙げて「規模縮小とかではなく、完全撤回なんですね?」と確認しました。村松スポーツ文化観光部長は「みなさま方からのご指摘もあり、部内で再協議した結果、撤回させていただきました。地域の文化や芸術への支援については、既存の事業や予算で対応します」という答弁でした。
首長や行政の「独断専行や無理、無茶、無駄を議会が糾す」という二元代表制の利点が、事前に発揮された良い実例だと思いました。