
生い茂る草木、流れ下る激流による水害や土砂災害に疲れ果て、生まれ育った愛する故郷を後にして、大都会に出ていく静岡県民は…昭和の高度成長期以降、数知れない。
一方、手つかずの大自然を手放しで絶賛し、大井川源流の水資源や環境の保全を声高に訴える県民のほとんど全員は、そんな山間には住んでいない。
「リニア工事なんて絶対ダメ!」「静岡空港に新幹線新駅なんて要らない!」と叫ぶ人々も、東海道新幹線に乗り、新東名高速を走ることに疑念は抱かない。羽田空港やセントレアから海外旅行に飛び立つことには躊躇しない。
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静岡県議会建設委員会の伊豆半島視察最終日は、下田市と熱海市を巡りました。下田港の一角に放置された約80隻もの廃船や沈没船を前にため息をつき、雑草の繁茂する幹線道路の路肩の除草や、急峻な山肌から流れてきた大量の土砂が溜まった河川の浚渫の必要性を改めて実感しました。
観光地・熱海の中心地を南海トラフ大地震の大津波から守るため、3つの川の河口に水門を建設する難工事の現場の状況を感謝と感動の思いで眺めました。そもそも、われわれ人間は、産業革命以降に享受している便利で快適な文明社会を維持するだけで、地球環境には大変な害を与えています。
植物が枯れ果てたり、生物が死に絶えるような自然破壊は、もちろん絶対に許されませんが、原始時代や石器時代…いや、電気や自動車やスマホがない世界には戻れない以上、環境に与える悪影響を最小限に抑えることに腐心し、全力を尽くして他の生命との共存・共栄を目指す以外に、21世紀の人類が生き残れる未来はありません。
世界に冠たる日本の土木テクノロジーは、明治以降の線路や道路の工事は言うに及ばず、世界一の地震国の隅々の海底や山脈にも果敢に挑み、青函トンネルや東京湾横断道路、三遠南信道路の『青崩峠トンネル』の超難工事も完成させました。
近年、記録的な少子高齢化や過疎化で、全国屈指の人口減少率を記録する静岡県の中でも、特に激しい人口減に苦しむ伊豆半島で、地域住民の日常生活と地域の最大の産業・希望の綱である観光業の維持や推進のために、県の下田や熱海の土木事務所の職員のみなさんが、並々ならぬ情熱と使命感を持ち、多額の予算確保に尽力してくれていることに、心から感動しました。