
<第48回全国中学校軟式野球大会>
◇20日◇島根・松江運動公園野球場ほか◇準々決勝4試合
牧吉 00002000|2
桐生 00000001|1
【牧吉】森田ー藤瀬
【桐生】久保田(中村)ー中村(小池)
凄い! 凄い! 凄すぎる!! 春の全国王者も撃破した! 我らが榛南地区4校の合同チーム『牧之原市・吉田中学校』(静岡1位&東海2位)が、優勝候補筆頭の桐生第一中学校(群馬&関東1位)に2ー1で競り勝って、初出場で準決勝に進出した。
実績も体格も部員数でも圧倒的に勝る最強王者に、序盤から持ち前のチームワークで食らいつき0-0の大熱戦を展開。5回表に3つの四球に2安打を絡めて2点を奪うと、最終7回裏の大ピンチを持ち前の堅実な守りで、1点に抑えて逃げ切った。
もう〝奇跡〟なんかじゃない! 1試合ごとに劇的な進化を続ける牧吉ナインが、断トツの優勝候補もなぎ倒した。打線が沈黙し無安打で迎えた5回だった。この回先頭の7番名波蒼太中堅手(相良中②)が四球で出塁すると、続く8番大沢栄翔左翼手(相良中②)と9番黒田晃希二塁手(牧之原中②)が連続バントで2死三塁。下位打線の2年トリオが作った初めての好機を見逃さなかった。
打席に向かう1番植田紘太遊撃手(主将=牧之原中③)の張り切りぶりに動じたのか、相手ベンチは申告敬遠を選択。これに奮起した2番藤瀬勇吹捕手(牧之原中③)が、内角高めの速球を鮮やかにセンター前に運んで先制した。
「自分の前で敬遠策なんて初めてだったので燃えました。高校生対小学生の対決みたいでしたけど、打ててよかった」と殊勲の藤瀬が声を弾ませた。
これで、チームは覚醒した。続く3番森田紘貴投手(相良中③)が四球を選ぶと4番大石陵永右翼手(榛原中③)が、外角高めのカーブを二遊間に弾き返した。前日の2回戦では最終回に2点差を追いつかれる失策を犯し、サヨナラ勝ちに湧く仲間を横目に試合後も1人泣いていた大石は「みんなに恩返しがしたかった。絶対に打ってやろうと思ってました」と、今日は笑った。
大金星を目前にした最終7回はヒヤヒヤだった。先頭打者にヒットを許すと、次打者にはレフト越えの二塁打を許して1点差の上に、無死二塁。しかし、勢いづく王者の強硬策に森田と藤瀬の盟友バッテリーが奮い立った。次打者の二塁ゴロで、同点の走者を三塁に背負ったが、そこから絶妙な配給で次打者を三振に斬って取った。
その直後、死球を許してサヨナラのランナーを出してしまったが、最後は相手リリーフ投手を力のない中飛に打ち取って、下克上を完成させた。「最後はビビりました。相手がスクイズとかに来なかったので助かりました」と森田は安堵の笑みを浮かべて振り返った。
少ないチャンスを得点につなげ、全員野球で守り切る。志太榛大会から続けてきた自分たちの野球が、最高峰の全国の舞台でも輝いている。「今日も〝これしかない!〟という勝ち方ができました。選手たちの頑張りに感動しました」と清水一臣監督(39)が夢見心地で振り返った。
静岡の田舎町の〝雑草軍団〟が、日本の頂点まであと2勝に迫った。明日の準決勝の相手は、四国王者の高知学園高知中。「ここまで来たら、相手は関係ない。明日も自分たちの野球で勝つだけです!」。もう遠慮は要らない。植田主将が力強く言い放った。